フッ素で強い歯を目指す
フッ素塗布により、歯質強化の効果が見られることは長年提唱され続けており、海外では水道水に添加している国もあります。国内においても、一部の自治体で上水道にフッ素を添加する事が試みられ、市販の歯磨き粉やガムにもフッ素を添加した物が販売されるなど、その有用性を裏付ける様々な動きがあります。
当院ではご希望される方にはフッ素塗布を施術しておりますのでお気軽にご相談下さい。
フッ素とは?

フッ素は歯の再石灰化を促進し、歯質を強化する作用があります。
口腔内は普段、唾液により弱アルカリ性から中性の状態に保たれていますが、飲食後は酸性へとかたむき、歯からカルシウムやリンが溶け出します。これを「脱灰」と呼んでいます。やがて唾液の清浄効果により、再び口腔内は元の弱アルカリ性から中性の状態に戻りますが、そうすると溶け出したカルシウムとリンが再び結晶化します。これを「再石灰化」と呼びます。口腔内はこの「脱灰」と「再石灰化」を繰り返しているのです。
フッ素を取り込むという事は、この「脱灰」と「再石灰化」のプロセスで、歯の結晶性をさらに向上させ、初期の虫歯となった部分(脱灰)の再石灰化を促進する効果があります。
フッ素による効果

再石灰化作用の促進
フッ素がむし歯になりかかった部分へのミネラルの取り込みを助け、歯の回復(再石灰化)を促進します。

歯質の強化
フッ素が歯のエナメル質や象牙質に取り込まれて、強い結晶構造をつくることで、歯を強くします。

ミュータンス菌の抑制
フッ素の抗菌力により、むし歯の原因菌のひとつであるミュータンス菌の働きを抑えてくれます。
シーラントでむし歯を予防
子供の永久歯は出来ればむし歯にしたくない、とは誰もが思う事でしょう。まだ生え立ての永久歯は柔らかく、大変むし歯になりやすい状態です。そんな生え立ての永久歯をむし歯から予防するための一つの手段として「シーラント」があります。シーラントは奥歯の溝や窪みに処置を施すだけで、歯を削らないため、安心して子供にも施術ができます。
シーラントの効果は、3年間継続して観察した結果、施術しない場合のむし歯罹患率が46.5%であったのに対して、施術した場合は15.5%であったという研究結果が出ています。
シーラントとは

シーラントとは、奥歯の表面にある"小窩裂溝"と呼ばれる、食べかすが溜まりやすい歯の溝を、専用の樹脂で埋める処置です。
乳歯はもちろん、特に6才臼歯と呼ばれる永久歯(6歳ぐらいに乳歯の一番奥に生える永久歯)は、噛むために一生使うとても大事な歯ですが、まだ生えたての歯はやわらかく菌にも弱い状態です。しかし、なかなか子供の歯ブラシだけでは、この溝に入り込んだ食べかすをきれいに取り除くことは難しいものです。
そこで、シーラントを施す事により、この溝をあらかじめ埋めてあげる事でむし歯予防にも繋がります。お子様の状態にもよりますが、永久歯に限らず、乳歯でも処置可能なら処置した方が良いでしょう。
シーラントをした方が良い歯・時期
- 生えたての永久歯の奥特に、6歳臼歯と呼ばれ、6歳頃になると生えてくる前から6番目の歯は大変重要です。生えてくる途中も、生えた後も柔らかく大変虫歯になりやすい状態です。シーラントでしっかり保護してあげましょう。
- 生えたての永久歯の前歯
7.8歳ごろに生えてくる上の前歯には裏側に深い溝があります。その箇所も汚れが溜まりやすく、ブラッシングもしにくい場所のため、必要でしたらシーラントを施術します。 - 奥歯の乳歯
乳歯の特徴でもありますが、形がぼこぼことしていて歯の溝が複雑です。歯ブラシでは、なかなか汚れを落とし切ることが出来ません。乳歯のうちから虫歯を作らないようにするためにシーラントをすると大変効果的です。